多彩な色調を有する「ブラック」。透明から不透明。暖から冷。実に様々です。
私たち夫婦は、美術大学で「油絵」を専攻していました。
教授によく言われたのが、「パレットには、絵の具を全色出しなさい。」と。
それは単に青色ひとつとっても、様々な調子があり、すべて特徴を有して全く異なる色だからです。
美大生アルアルですが、キャンパス上の青色を評する会話の中でも「そこのウルトラマリンに、ちょっとだけローアンバーを足して描くか、もしくはターコイズ系で色面を作ってからプルシャンブルーでグラッシュしてみようかな。」などと、決して単純な「青」とは言いませんでした。
全て、絵の具のチューブに描かれた色の名前が、独立した色の名前と捉えていたのです。
更に、同じ名前の絵の具なのですが、ホルベイン、クサカベ、マツダといったメーカーで全く違う色が販売されていました。その組み合わせは、ほぼ無限大に等しかったです。
今でも我々夫婦の間で生地の色を決めるときは、このチューブに書いてあった絵の具の名前を共通言語として使うことが多く、微妙な色加減の全てがお互いに伝わるので、とても便利にしています。
さて今、Takane Sewing Studio では、ブラックの色調の生地がとても豊富です。
中々、パソコンのモニター上でその差を説明するのが難しく、四苦八苦しています。
そこで、なんとかその雰囲気がわかりやすい写真が撮れました。その生地色から受ける印象は、みなさんの自由でいいと思います。同じブラックと言ってもこれだけ幅があるということをお伝えできればと思います。

また、備長炭染めと言って、自然素材で染め上げたブラックも追加されました。

最後に参考として、絵の具のブラックの種類について併記しておきます。
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アイボリーブラック(Ivory Black)
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特徴: 最もポピュラーな黒。わずかに赤み(黄色み)を帯びた温かい黒です。
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豆知識: 昔は象牙を焼いて作っていましたが、現在は動物の骨を焼いた「ボーンブラック」が主成分です。
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ランプブラック(Lamp Black)
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特徴: 油を燃やした煤(すす)から作られる、青みがかった冷たい黒。
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用途: 粒子が細かく、混色すると少し青ざめたグレーになります。
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マーズブラック(Mars Black)
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特徴: 合成酸化鉄が原料。非常に不透明で着色力が強く、乾燥が早いのがメリット。
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注意: 他の黒に比べてマット(艶消し)な質感になりやすいです。
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ピーチブラック / バインブラック(Peach Black / Vine Black)
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特徴: 桃の種やブドウの枝を炭化させたもの。透明感があり、少し青みがかった軽やかな黒です。
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